OXFORD STYLE
WHY PEOPLE CHOOSE OXFORD SHOES

オックスフォードシューズは内羽根構造を特徴とする紳士靴であり、装飾や木型、素材の違いによって多様な表情を見せます。代表的なデザインとその特徴、履き心地や設計の考え方に触れながら、オックスフォードシューズの魅力をご紹介いたします。
【オックスフォードシューズについて】
オックスフォードシューズとは、内羽根構造で製作された紳士靴を指します。
一見するとシンプルな構造ですが、その中にはプレーントゥ、ストレートチップ、クォーターブローグ、セミブローグ、フルブローグ、ホールカット、アデレードなど、様々なデザインが存在しています。
また、アッパー素材、木型形状、装飾の量によって印象は大きく変化します。
ロングノーズでシャープな木型にすることでモダンな印象となり、ショートノーズや丸みのある木型にすることでクラシックな雰囲気を強めることも可能です。
一般的には、プレーントゥやストレートチップはフォーマル性が高く、装飾が増えるにつれてカジュアル寄りになるとされています。
しかし現代ではその境界も以前ほど厳密ではなく、素材やスタイリング次第で幅広いシーンに取り入れられるようになっています。
また、オックスフォードシューズは履き心地の面でも大きな特徴があります。
内羽根構造によって中足部をしっかり保持しやすく、前滑りを抑えやすい設計となるため、フィッティング面でも安定感を持たせやすいデザインです。
特に、甲部分に切り替えを持つデザインは、足を支えるポイントを作りやすいため、履き心地にも違いが現れます。
更に、Yuki Shirahama Bottierでは特に表からは見えないライニングの設計を重要視しており、機能性の異なる数種類のパターン設計方法を採用しています。それぞれの設計により当たりの軽減や前滑りの抑制など特性があるため、お客様のお好みに合わせてご提案しています。
加えて、タンのパターンや厚みも着用感に関わってくるため、その点に留意しながら製作を行なっています。
【オックスフォードシューズの種類】
■Plain Toe Oxford(プレーンオックスフォード)
Bespoke Plane-Toe Oxford in Dark Brown Calf Leather A contemporary almond toe last with a defined side wall
Hand-sewn welted construction with all-dark-brown leather sole
バンプ部分のみに切り替えのある、装飾が少ないオックスフォードシューズです。
シンプルな構造である分、木型形状や革質、仕上げの美しさが強く現れます。
基本的にはフォーマルなデザインですが、現代では素材使いの工夫や合わせ方の工夫によりフォーマルからカジュアルまで幅広く使用されています。
■Straight Tip Oxford(ストレートチップオックスフォード)
Bespoke Straight-Tip Oxford in Black Calf Leather
A slim and refined almond toe last
Hand-sewn welted construction with Vibram sole EVA
爪先に一本線の切り替えを入れたデザインです。
ビジネスや冠婚葬祭のフォーマルなシーンでも使用されることが多く、オックスフォードの中でも特に汎用性の高いデザインと言えます。
■Punched Cap Toe Oxford(パンチドキャップオックスフォード)
Bespoke Punched Cap-Toe Oxford in Black Grain Leather A slim and refined almond toe last
Hand-sewn welted construction with all-black leather sole
ストレートチップにブローグ=穴飾りを加えたデザインです。
穴飾りはブローギングまたはパーフォレーションなどと呼ばれます。キャップの裁断はストレートカットまたはピンキングを施す場合もあります。
ピンキングはアッパーの断面をギザギザに仕上げた裁断方法で、ギンピングと呼ばれる場合もあります。
ストレートチップのフォーマル性を持ちながら、少し柔らかい印象となります。
■Quarter Brogue Oxford(クォーターブローグオックスフォード)
Bespoke Quarter-Brogue Oxford in Light Brown Lama Leather A modern chisel-toe last with a defined side wall
Hand-sewn welt construction with all light brown leather sole
キャップ・バンプ・カウンターなどアッパーのデザインラインの全体的に穴飾りを施したデザインです。
クラシックな印象を持ちながらも、比較的すっきりとした雰囲気で使用できます。
■Semi Brogue Oxford(セミブローグオックスフォード)
Bespoke Semi-Brogue Oxford in Dark Brown Calf Leather A softed chisel toe last with raised side-wall
Hand-sewn welted construction with all-brown leather sole
クォーターブローグのトゥにメダリオンを加えたデザインです。
より装飾性が高まり、クォートブローグよりもややカジュアルな用途に用いられます。
■Full Brogue Oxford(フルブローグオックスフォード)
Bespoke Full-Brogue Oxford in Light Brown Calf Leather A modern chisel-toe last with a defined side wall
Hand-sewn welt construction with all light brown leather sole
ピンキングとブローギングに加え、トゥの切り替えのデザインがウィングチップとなった、装飾性の高いデザインです。
カントリー由来の意匠ですが、現代ではジャケットパンツスタイルなどに幅広く使用されています。
■Wholecut Oxford(ホールカットオックスフォード)
Bespoke Wholecut in Black Calf Leather A slim and refined almond toe last
Hand-sewn welted construction with all-black leather sole
一枚革で構成されたオックスフォードシューズです。
切り替えが少ないため、革そのものの質感や木型のラインが際立ちます。
切り替えが無いデザイン故にパターン上で木型の形状に沿わせることが出来ないため、高度な吊り込み技術が求められます。
Adelaide Oxford(アデレードオックスフォード)
Bespoke Full-Brogue Adelaide Oxford in Light Brown Leather A slim and refined almond toe last
Hand-sewn welted construction with all light brown leather sole
アデレードオックスフォードは、レース周辺に曲線的な切り替えを持つデザインです。
ストレートチップオックスフォードのように前足部と後足部が別パーツになるデザインと比較すると、柔らかな印象のラインが特徴的で、エレガントな雰囲気を持っています。
デザインの特性としてバンプ部分から踵まで大きく一枚で構成されることが多いため、革の質感や表情が仕上がりに大きく影響します。
そのため、素材選びやパターンバランスによって靴全体の雰囲気も変化しやすいデザインと言えます。
クラシックな要素を持ちながらも直線的になり過ぎず、現代ではドレススタイルだけではなく、ジャケットスタイルにも合わせやすいオックスフォードとして使用されています。
【最後に】
オックスフォードシューズは、装飾や木型、素材の組み合わせによって印象が大きく変化する汎用性の高いデザインのため、当アトリエでオーダーを頂くお客様にも長く選ばれ続けています。
本来はクラシックの王道でありながら、クールビズやオフィスカジュアルが日常となった現代の足元にも、アッパー素材や靴底の仕様を変えながら自然に馴染む柔軟性を持ち合わせています。
『Why people choose Oxford shoes?』――この問いに私たちなりに答えるとするならば、いつの時代もその時のスタイルに溶け込む懐の深さをもった、普遍的なデザインが、今もなお人々を魅了し続ける理由なのだと感じています。
当アトリエでは、デザインだけではなくフィッティングやライニング設計も含め、一足ごとのバランスを重視しながら製作を行っていますので、ご注文の際にご相談下さいませ。
また、今回ご紹介した以外の製作事例はYuki Shirahama Bottier InstagramまたはGalleryでご覧頂けます。
執筆
Yuki Shirahama Bottier
白濵 結城
村吉 麻美