記事: Sliponが描く上質なリラックス
Sliponが描く上質なリラックス
装いにおける「ちょうどいい抜け感」は、意識すればするほど難しい。オンとオフの境界があいまいになった今、求められるのは、力を抜いても品格を失わない選択です。そんな現代のムードを足元から表現するべく、FAV collectionに新たな一足が加わります。
FAV collectionの3型目として登場するのがSlipon。これまでのDerby、Chukkaが持つ品格や輪郭を礎に、Sliponはよりリラックスしたカジュアルのためにデザインされました。デイリーな装いのなかで「力を抜いているのに様になる」――そんな大人のリラックス感を足元に宿す一足です。
素材と製法もまた、日常での心地よさと長く使える耐久性を両立するために選び抜きました。フルレザーライニングとレザーカップインソールにより足当たりは柔らかく、ビブラム社製ラバーソールとサイドマッケイ製法の採用で適度な反発と歩行の安定感を実現しています。アッパーはブラックスエード、ライトベージュスエード、ダークグレースエード、ブラックグレインレザーを揃え、素材の表情が日常のコーディネートに自然に馴染みます。
設計面では、木型に102を採用しました。トゥの造形はFAV1・FAV2で用いた101の形状を踏襲しつつ、スリッポン特有の着脱感やホールド感に合わせてフィッティングを再設計しています。トップラインを薄く仕上げることで生まれる軽やかな抜け感と、無駄のない上品なシルエットを両立。結果として、スポーティな軽快さと落ち着いた大人の表情が調和するフォルムになっています。
Sliponは、上品な装いとカジュアルの境界に線を引くことなく、普段のカジュアルスタイルはもちろん、軽やかな仕事着やちょっとした外出や旅先でも、自然に馴染む一足です。履くたびに風合いが増し、自分の雰囲気に馴染んでいく――そんな付き合い方ができる一足です。
Derby、Chukka、そしてSlipon。この三つのモデルはFAV collectionの中で互いに響き合い、さまざまな「現代的な普遍性」の表現を可能にします。闇雲に時代を追うことなく、しかし今の生活に自然に溶け込む靴を。Sliponは、そのための選択肢として、足元から余裕をもたらします。